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さとう みゆ 「里山の色々」

¥60,000 税込

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作家名:さとう みゆ(Miyu Sato)
作品名: 里山の色々
サイズ: 320mm×410mm F6
額: 0mm×0mm ×0mm
技法:アクリル
制作年:2025
60000

さとうみゆの近作《里山の色々》シリーズは、ひとつひとつの画面が「風景」でありながらも、単なる風景画ではない。そこに描かれているのは、山や森の姿そのものではなく、「生命がその場に存在するという事実」の痕跡である。
 作家は、キャンバスに重ねられた無数の筆致と擦れ、滲み、刻印のような線を通して、自然と人間の境界を曖昧にし、「生きている」という状態を抽象的な言語で描き出している。
画面はマットでありながら深い層を持つ。土や苔、霧のような色のグラデーションが幾重にも重なり、その奥に微かに現れる丸や線、記号的なモチーフは、まるで土中で蠢く微生物の呼吸や、風の通り抜けたあとの記憶のようだ。
それは偶然の抽象ではなく、「生態系としての絵画」と呼ぶべき構造を備えている。
一見すると静謐だが、内部では無数の生命の鼓動が共鳴しており、観る者の意識もそのリズムの中に取り込まれていく。
シリーズ全体を通して、タイトルが「里山の色々」と連番で記されていることにも作家の思想が現れている。ナンバリングは序列ではなく、すべての存在が等価であるという生命観の表れである。
彼女にとって「里山」とは、単なる風景の場所ではなく、「人と自然、記憶と時間が織り重なった意識の地層」であり、絵画行為そのものが祈りのような行為となっている。
その表現態度は、20世紀後半の抽象表現主義やアンフォルメル、さらには近年のエコロジカル・アートの流れとも共鳴する。マチエールの中に滲む有機的な抽象は、東洋的な余白と西洋的なマテリアリズムの融合点にあり、「見る」ことを超えて「聴く」絵画として現代に響いている。
さとうの作品は、私たちが日常の中で見過ごしている微細な生命の声、目には見えない呼吸を可視化する。
その絵画空間に身を置くとき、私たちは静かに問われる——
「あなたの中の里山は、まだ息づいていますか?」

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