新谷友佳子 「あの頃の風 I」
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作家名:新谷友佳子(Yukako Shintani)
作品名:あの頃の風 I
サイズ: 273mm×220mm
額: 0mm×0mm
技法:パネル、和紙、木炭、チョーク
制作年:2026
新谷友佳子の描く曲線は、単なる抽象的フォルムではない。
それはクラシックピアノの旋律のように、柔らかく、強く、時に鋭く空間を貫きながら、生命の躍動を可視化する線である。
画面を横断する黒と白のうねりは、音楽のフレーズのように連なり、視線を導く。
その一方で、作品に繰り返し現れる黒い柱状の影は、世界に振り下ろされる死、あるいは静かに横たわる死の気配を示唆する。
それは対立ではなく、生と死が同時に存在する構造として提示されている。
本展の根幹をなすのは支持体である。
新谷は和紙をちぎり、幾層にも貼り重ねる。その皺、剥離、繊維の凹凸は隠されることなく、むしろ時間の痕跡として前景化される。
水色や淡いピンクの四角い模様も、描き加えられた装飾ではない。和紙そのものが元来持っていた要素を活かし、素材の履歴と共存させている。
この方法は、素材を単なる媒体とみなすのではなく、素材を時間の地層として扱う姿勢に基づく。
和紙の重なりは記憶の層であり、その上に描かれる曲線は生命の旋律である。そして黒い影は、不可避の終焉を静かに差し込む。
美術史的文脈
和紙という物質性を前面に押し出す姿勢は、戦後日本美術における素材論的探究とも接続する(一般的な理論的参照)。
また、音楽的リズムを線へと転換する試みは、抽象絵画の系譜における視覚と音の相関性の探究を想起させる。
しかし新谷の作品は引用にとどまらない。
近年、物質性と身体性の再評価が進む現代美術の潮流の中で、彼女の実践は「素材の時間」と「存在の主題」を重ね合わせることで、抽象を存在論的領域へと押し広げている。
生命は旋律のように流れ、
死は黒い柱のように佇む。
その間に立ち現れるのは、分断ではなく共存である。
作品は、全て作家の手によるもので、
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